パラスポーツ・パラアスリートの支え手の方々からのメッセージ ~ブラインドマラソン~


 ブラインドマラソン
ガイドランナー(伴走者)をされている高田裕之(たかだひろゆき)さん支え手としての役割、パラスポーツやパラアスリートの魅力などをお伺いしました。ブラインドマラソンを支える方、競技、選手を知って、みんなで応援しましょう。


★ブラインドマラソン  
高田裕之(たかだひろゆき)さん  
(ガイドランナー(伴走者))

<プロフィール>
東京都職員。
中学から陸上競技を始めた。学生時代、箱根駅伝に憧れ予選会に出場。荷物を背負ってマラソンを走る競技でギネス記録(当時)を更新。ブラインドマラソンの伴走を本格的に始めて5年になる。

ガイドランナーに携わることになったきっかけを教えてください。

 初めて私が、ブラインドマラソンの伴走者として携わったのは、学生時代です。高校の同級生から大会の前日に、あるブラインドランナーの伴走をしてほしいと頼まれたことがきっかけです。選手の力強い走りに終始圧倒されましたが、この時に感じた達成感は今も忘れられません。その他、TV中継に係る伴走カメラにも携わっていました。
 この頃から、目標に向かって頑張る選手を傍でサポートすることにやりがいを感じていました。ある時、親から「世の中、やりたくてもやれない人がいる。その人の助けになりなさい」という言葉を受け、まず思い浮かんだのが「伴走」でした。社会人となり、本格的に伴走に携わるようになり、ブラインドランナーから多くの刺激を受けています。

(写真提供 NTTクラルティ)

ブラインドマラソンの魅力を教えてください。

 ブラインドマラソンは、視覚の度合いによりクラス分けされ、単独走もしくは伴走者とともにマラソンを走る競技です。この競技の魅力は、「絆」と呼ばれる伴走ロープを通して、選手と伴走者が一心同体となり競技に取り組めるところです。レース中、選手と伴走者は、声を掛け合いながら走りますが、伴走者には、選手の安全確保、コース状況、体調の変化等に注意しながら、常に的確な判断と言葉が求められます。
 また、助力(選手を引っ張ったりすること)や、選手より先にゴールラインを超えると失格となるため、最後まで気が抜けません。そのため、無事ゴールまでたどり着いた時に、選手や仲間と分かち合う喜びや達成感は格別です。レース中、ゴール後の選手と伴走者の姿に注目してほしいです。




(写真提供 NTTクラルティ) 

選手との思い出のエピソードをお聞かせください。

  代々木公園で開催されるブラインドマラソンの練習会に参加するようになったある日、練習会で知り合った方から「伸び盛りの有望な選手がいるよ」と紹介を受けました。その選手が、青木洋子さんで、当時から「パラリンピックを目指す」と力強い意志を感じていました。それから「チームおよ」(青木の旧姓、男澤の「お」と、洋子の「よ」からとって名付けられた青木選手と伴走者等から成るチーム)の一員として、週末を中心に練習会や大会に帯同するようになりました。青木さんの人柄の良さや取り組む姿勢に感銘を受け、仲間は約30人にも及びます。怪我に苦しんだ時期もありましたが、少しずつ走力が向上し、2020年2月の別府大分毎日マラソンで国内選考会を勝ち抜き、皆で代表推薦内定を掴みました。今後もチーム一丸となり、挑戦を続けていきたいと思います。  
(写真提供 NTTクラルティ)                                              

パラリンピック・パラスポーツに対する思いをお聞かせください。

 パラリンピックは、様々なバックグラウンドを持つ若手からベテランまで幅広い世代のアスリートが集うスポーツの祭典です。競技の結果だけではなく、パラアスリートの一挙手一投足に注目してほしいです。色々なドラマがあることが見えてくると思います。また、声援がパラアスリートの力になることから、大歓声で選手を迎えてほしいです。2021年、東京で開催するパラリンピックが歴代最高のパラリンピックとなることを願うばかりです。

(令和2年10月 東京都オリンピック・パラリンピック準備局パラリンピック部調整課インタビュー)