⑥パラアスリートと一緒に心のバリアフリーを推進しよう!!

公式Twitter「インくるの部屋」でパラアスリートの実体験等を発信!

障害の有無に関わらず、誰もが気兼ねなく大会を楽しみ、みんなが気軽に助け合える社会となるよう、パラアスリートが日常生活で周囲の方のちょっとした配慮で嬉しかったエピソードなどを、ナビゲーターの「インくる」が毎週Twitterで発信しました。
実施期間:2020年8月24日から2021年9月5日まで



@inclu_tokyo】  いんくるのロゴマーク


★これまでの投稿(一部抜粋)は、こちらでもご覧いただけます
音声読み上げ用のテキスト版は、こちら
 
 

日本パラリンピック委員会 河合純一委員長 インタビュー

公式Twitter「インくるの部屋」にエピソードをご提供いただいた日本パラリンピック委員会の河合純一(かわいじゅんいち)委員長に、東京2020パラリンピック競技大会(以下「東京2020パラリンピック」という。)を振り返っていただきながら、ご自身の考える「共生社会」についてお話しを伺いました。

東京2020パラリンピックは、人々にどのような影響をもたらしたと感じますか。

 東京パラリンピック競技大会は、トータルで540時間という長い時間、日本国内のテレビで放送されました。これにより大変多くのみなさんにパラリンピックを観ていただくことができました。540時間という数字は、2012年ロンドンパラリンピックの12倍、2016年リオパラリンピックの4倍の放送時間です。
 大会終了後は、パラリンピックという名称や競技名だけでなく、選手の名前やクラス分けについて世間一般で話題にあがってくるようになったことは、パラリンピックをテレビで観たことにより、みなさんの中で気づきや感じ方の変化があったのではないかと思います。

東京大会を機に、心のバリアフリーを更に進めていきたいと考えていますが、東京開催が決定した2013年と現在とでは、人々の障害に対する意識は変化したと思いますか。

共生社会の実現には、3ステップ(知る→意識的に実行→自然な振る舞い)

 少なくとも多様性、ダイバーシティ、共生社会などの言葉自体の認知度は上がったと感じています。また、今回のパラリンピックを通じて、多様性をどう担保していくべきか、多様性のもたらす効果を考える人も増えたのではと思います。
 私は、共生社会を実現するために3ステップが必要だと考えています。
 まず1ステップ目は、「ノーイング」。多様性やダイバーシティ、共生社会などの言葉をみなさんが知るということ。
 そして、2ステップ目は、知ったことをみなさんが実践する「ドゥーイング」。みなさんがパラリンピックを通じて、自分は何ができるだろうと考え、SNSでいいねやシェアをしたり、家庭で話しをしたり、障がいのある人を見かけたら声をかけようといったことで、今まさに2ステップ目になったと思います。ただしこれは、意識して自らアクションを起こす段階で、無意識ではありません。
 最後の3ステップ目は、みなさんが意識せずとも自然な振る舞いとして、困っていれば声をかけるといった行動ができるようになる「ビーイング」です。

一緒に何かをする機会を経て、2ステップ目から3ステップ目へ

 今回、国際パラリンピック委員会は、「#We The 15」というキャンペーンを打ち出しました。これは、世界人口の15%、つまり12億人にあたる人が何らかの不自由さ、不便さを感じているということです。その15%の人たちは一部に固まっているのではなく、全体の中にまばらに混ざり合っているのです。その15%の人たちのことを認識しながら、一緒になって取り組んでいくことが大事です。パラリンピックを1つのツールとして、より多くの人たちが気づきを得て、実践をしていく段階に入ってもらいたいと思います。

障害のある方に声をかけたいけど、どうサポートをしていいのか分からない、迷惑ではないかと思い、声をかけられない人も多くいると思います。一歩踏み出すためにどうすればいいでしょうか。

相手の視点に立った想像力がポイント

 障がいによって対応は違いますが、全部を理解しないとサポートができないと思うのは違うと思います。障がいのある人や社会のバリアに興味・関心が持てるかどうか、興味・関心を持って障がいのある人と繋がることが自分の人生にとって意義のあることと捉えられるかが大きいと思います。うまくコミュニケーションがとれない可能性もゼロではありませんが、一歩踏み出して出会うことで新たな気づきや学びがあって、自分の人生そのものが豊かになるかもしれません。そう思う方は、積極的に声をかけたり、活動に参加したりします。
 自分だったらどうするか、相手の視点に立てるかといった想像力が大事です。時には失敗するかもしれませんが、コミュニケーションはそうした失敗など経験を踏むことで上手になっていきます。

子供にとって、車いすはかっこいい乗り物
子供から大人が学びリバースエデュケーションで共生社会へ

 大変多くのみなさんがパラリンピックを観たことによって、障がい者のイメージが変わっていくと思います。
 お母さんに「競技用車いすが欲しい」といった子がいると聞きました。その子に障がいはありません。その子からすると、車いすは障がいのある人が乗るものではなく、かっこいい乗り物がほしい、自転車が欲しいと同じだったのです。小学校低学年くらいの子にとって、オリンピックとパラリンピックの違いはないみたいです。これこそが一番フラットでニュートラルな見方なのかなと思います。彼らが大人になっていくことで10年後は変わっていくと思います。そして、こうした子供たちから大人たちが学ぶリバースエデュケーション(逆教育)により、さらに広まっていくと思います。

日本パラリンピック委員会委員長
河合純一(かわいじゅんいち)

<プロフィール>
1975年 静岡県生まれ
1992年 バルセロナパラリンピック出場
その後、2012年ロンドンパラリンピックまで6大会連続出場し、金メダル5個を含む21個のメダルを獲得
1997年 教員採用試験を受験(全盲では全国で初めて公立中学校社会科教師として母校の舞阪中学校に着任。水泳部を指導)
2016年 日本人初となるパラリンピック殿堂入り
2020年 日本パラリンピック委員会委員長に就任
2021年 東京2020パラリンピック競技大会日本代表選手団団長を務める