馬術

馬術

【概要】
動物を扱うオリンピック競技です。また、すべての種目で男女の別がありません。体力の勝負というよりもいかに馬をうまく操るか、技術的な熟練度と華麗さがポイントになる競技です。

選手の技術はもちろんのこと馬の能力も重要です。素質のある馬を、時間をかけてトップレベルに育てなくてはなりません。

団体戦と個人戦があります。

ここがポイント!

選手はパートナーである馬と協調して競技に臨みます。選手が、馬の能力を最大限に引き出し、馬も選手の要求に精一杯こたえる「人馬一体」の妙技が繰り広げられます。
人馬が一体となって障害を飛越したり、疾走したりする姿は美しく、観客を魅了します。選手と馬とがどのようにコミュニケーションをとっているかも見どころの一つです。

歴史

人と馬との共同作業は、中国やエジプト、ペルシャといった多くの古代文明に遡ります。馬を用いた競技としては古代オリンピックに戦車競技(シャリオ・レース)がありました。
ヨーロッパの馬術は古代ギリシアで発達し、ルネサンス期のイタリアで再評価され、近代馬術の基礎が築かれていったといわれています。
馬術は1900年パリ大会でオリンピック競技になりましたが、その時の競技は障害飛越競技のみでした。1921年に開催された国際会議の結果、オリンピックでは馬場馬術(ドレッサージュ)、障害飛越(ジャンピング)、総合馬術(イベンティング)の3競技で構成することが決められました。

詳細事項

(2016年リオデジャネイロ大会種目)

種目 (男女の区別は無い)
障害馬術団体、障害馬術個人
馬場馬術団体、馬場馬術個人
総合馬術団体、総合馬術個人
競技内容

主なルール

【障害馬術】
競技アリーナに設置された様々な色や形の障害物を、決められた順番通りに飛越、走行する競技で、ミスなく規定の時間内にゴールすることが求められる。障害物の落下や、不従順(障害物の前で止まる、障害物を避ける等)、規程タイムの超過があった場合に減点となる。

【馬場馬術】
20m×60mのアリーナ内で、演技の正確さや美しさを競う。「常歩(なみあし)」、「速歩(はやあし)」、「駈歩(かけあし)」の3種類の歩き方を基本に、様々なステップや図形を描いたりする。演技内容がすべて決められている規定演技と、決められた運動で構成して音楽をつけて演技する自由演技がある。
運動項目ごとに0~10点がつけられ、また、演技全体の印象について採点する総合観察点を合計する。自由演技においては、芸術的評価(音楽の選曲や運動との調和や図形のユニークさなど)が加わる。

【総合馬術】
馬場馬術競技・クロスカントリー競技・障害馬術競技の3競技を同一人馬のコンビネーションで3日間かけて行う競技である。

※総合馬術で2日目に行われる競技
【クロスカントリー】
クロスカントリーコースは自然に近い状態の地形に竹柵、生垣、池、水濠、乾壕などの障害物が設置される。自然を生かした起伏の富んだコースに設けられた難易度の高い障害をクリアしなければならず、選手の技術や馬の体力・勇気などが勝敗に影響を与える。

(2016年リオデジャネイロ大会時点)