ボート

ボート

【概要】
選手それぞれが一人で片舷1本のオールを扱うスウィープと、それぞれが両舷1本、計2本のオールを扱うスカルの種別があります。

漕手のほかに艇の舵を操るコックス(舵手)が乗っているか、いないかによっても種別が分かれます。

出漕艇は固定されたスタートポンツーン(桟橋)に艇尾をつけ、艇首をゴールに向けスタートラインに並びます。艇の先端がゴールラインに達した順に順位を決めます。予選・敗者復活戦・準決勝・決勝を戦います。

ここがポイント!

艇をいかに速く進めるかの戦略を立て、漕ぎやすくなるような艇を準備することはもちろん、自然の中で行われるスポーツなので天候などに大きく左右されやすく、自然条件をいかに味方に付けるかがボートには重要な要素であり、奥の深い競技といえます。
また、エイト種目では、漕ぎ手の息の合ったユニフォーミティー(統一性)が見どころです。各艇が息の合った美しいフォームで、水上を滑るように進む様子は練習の賜物で、圧巻です。

歴史

ボートは交通や戦争の手段として、古代にまでその歴史をさかのぼることができます。競技としては、北欧の海賊による腕試しレースが起源といわれ、湖沼が多くボートレースに適したヨーロッパを中心に普及しました。
近代的なボート競技は18世紀のイギリスで誕生し、1716年にロンドンのテムズ川でレースが行なわれたといわれています。
オリンピックでは、男子は1900年パリ大会から、女子は1974年モントリオール大会から採用されています。

詳細事項

種別男子女子
スウィープ 軽量級舵手無しフォア、舵手無しフォア、舵手無しペア、エイト 舵手無しペア、エイト
スカル 軽量級ダブルスカル、クォドルプルスカル、ダブルスカル、シングルスカル 軽量級ダブルスカル、クォドルプルスカル、ダブルスカル、シングルスカル
競技説明

【スウィープ】
一人が両手で一本のオールを持って漕ぐ種目です。
漕手8人と舵手が乗るエイト、漕手4人が乗るフォア、漕手2人で艇を進めるペア
種目があります。

【スカル】
一人が両手に一本ずつのオールを持って漕ぐ種目です。
漕手4人と舵手が乗るクォドルプル、漕手2人で艇を進めるダブル、1人で漕ぐ唯一の個人種目であるシングル種目があります。

主なルール
  • 漕手の体重によって、"軽量級"と"オープン(体重制限なし)"があります。男子の軽量級は、漕手各人が72.5kg以下で平均体重が70.0kg以下(男子シングルスカル漕手は72.5Kg以下)、女子の軽量級は、漕手各人が59.0kg以下で平均体重が57.0kg以下(女子シングルスカル漕手は59.0Kg以下)となっています。
  • スターターの"アテンション"の予令で赤ランプが点灯し、"ビー"というブザー音と同時に赤ランプが青に変わった瞬間がスタートです。
  • レースは直線2,000mで、同時に6杯のボートが競います。
  • レース中、各ボートは自分のレーン内を漕ぐのが原則で、もし隣のレーンにはみ出して隣のボートに波をかぶせたり接触すると、失格になります。
  • ボート内に無線装置を持ち込んだり、岸から拡声器で指示を与えると失格です。クルーは自分たちだけの判断でレースの駆け引きを考えて漕ぎます。
  • ゴールライン上に設置された高精度の写真判定装置の画面上で着順を判定し、タイムは100分の1秒まで計測します。
用語
  • ストローク (stroke)
    オールによる1回1回の漕ぎ(整調を指すこともあります。)。
  • ピッチ (pitch)
    一分間に漕ぐ回数、レート(rate)ともいいます。通常スタート・ダッシュは高いピッチで漕いで加速をつけ、途中のスパートや、ラスト・スパート等でも高くしてスピードを増します。
  • パドル (paddle)
    水中を全力で漕ぐこと。
  • イージーオール (easy oar)
    オールを水中から出して漕ぐ動作をやめること。フェザー状態で静止します。
  • フォワード (forward)
    漕手の艇尾方向、ブレードの艇首方向への動き。
  • ロー・アウト (rowout)
    体力の限界まで全力で漕ぎ切ること。

(2016年リオデジャネイロ大会時点)