フェンシング

フェンシング

【概要】
ピスト(試合場) 幅1.8m×全長14m(伝導性パネル)

団体戦(1チーム4名)
各チームの内3名による総当たりリレー方式
3分間5本勝負(5点先取)を9試合行い、45点先取
(または9試合までの得点の多い方)が勝利

種目 フルーレ、エペ、サーブル
(種目より、剣の形状や有効面(得点となるターゲット範囲のこと)に違いがあります。)

ここがポイント!

騎士道からくる礼儀正しさ、華麗なプレイ、頭脳的な駆け引き、スピーディな試合運び、科学的なテクニックなどが見どころです。

歴史

フェンシングは中世ヨーロッパの騎士道華やかなりし頃「身を守る」「名誉を守る」ことを目途として磨かれ、発達してきた剣技です。その後、銃火器類の発達により、戦場での実用性は急速に衰退していきましたが、その繊細かつ奥深いテクニックに魅せられる者が多く、競技化への道を歩むこととなりました。1750年に金網のマスクが開発され、危険性が大幅に緩和されたことが引き金となり、ヨーロッパ各地で盛んに競技会が開催されるようになりました。
オリンピックでは、1896年アテネ大会から現在に至るまで、正式種目に採用されています。
当初は、競技規則が統一されていなかったために、問題が数多く発生しました。1914年IOC国際会議で統一的な規則が制定されたことにより、競技の公正さが保たれ、判定を巡る争いは影を潜める事となりました。なお、この規則は国際フェンシング連盟(FIE)の試合規則の原案となっています。
競技の判定は、当初肉眼で行われていましたが、1936年エペ種目に電気審判器が導入されました。その公正さが認められると、その後、他の2種目も電気化され、現在に至っています。

詳細事項

(2016年リオデジャネイロ大会種目)

男子女子
種目 フルーレ個人、フルーレ団体
エペ個人、エペ団体
サーブル個人
フルーレ個人
エペ個人、エペ団体
サーブル個人、サーブル団体
競技詳細

【フルーレ】
向かい合った両選手のうち、先に腕を伸ばし剣先を相手に向けた方に「攻撃の権利」が生じる。攻撃が正しく終了するまでこの権利は生き続けるので、相手は攻撃者の剣を払うなど何らかの方法で「攻撃の権利」を阻止しなければならない。阻止に成功すれば権利は移行し、「反撃の権利」を得る。
有効面(左右の腕、頭部を除いた上半身部分)に金属を織り込んだメタルジャケットを着用して対戦する。剣先のボタンスイッチで発生した電気信号により、有効面を突くと色ランプ、無効面では白ランプが点灯する。ランプの点灯で権利の移行が視認できる。
剣:重量500g以下、全長110㎝以下、剣身90㎝以下。細身の剣。剣先にボタンスイッチがある。
攻撃(アタック)-防御(パラード)-反撃(リポスト)-再攻撃(コントル・リポスト)といった瞬時の技の応酬(剣のやりとり)がこの種目の見どころである。

【エペ】
決闘を起源とする競技で、全身すべてが有効面。「攻撃権」は無く、先に突いた方の得点となり、双方の突きが同時である場合は双方の得点となる。ランプの点灯に注目していればどちらの選手が得点を挙げたか判断できるので、最も分かりやすい種目である。
剣:重量770g以下(フルーレより一回り大きく、かつ頑丈な作りで若干重い)、全長110㎝以下、剣身90㎝以下。剣の先端にボタンスイッチがある。
前腕を狙っての攻防から一転、つま先への意表を突く攻め、あるいは機を見て間合いを詰めて接近戦でボディを突くなど、スピーディかつ変化に富んだ試合展開を見ることができる。ヨーロッパでは特に人気のある種目である。

【サーブル】
騎上での戦闘を起源とする競技で、フルーレとエペが「突き」だけの競技であるのに対し、サーブルでは「突き」に加えて「斬り」の動作がある。 胴体有効面を覆う金属繊維で作られたメタルジャケット等と、有効面となるマスクを着用して対戦する。
有効面は両腕、頭部を含む上半身の全て(下半身が無効面であるのは、馬を傷つけないという騎兵隊の動物愛護精神から来ていると言われてる。)である。
剣:長さ全長105㎝以下、剣身88㎝以下、手の甲を覆う大きいガード(つば)が特徴。フルーレと同じく「攻撃の権利」に基づくが、「斬り」による技の応酬がダイナミックである。

(2016年リオデジャネイロ大会時点)