イノベーティブな大会に向けて

© Tokyo 2020 / Uta MUKUO
東京2020大会では、大会ビジョンに掲げた「史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会」を実現するために、様々な新しい取り組みを実施しており、具体的な取組の一部をご紹介します。
東京2020ロボットプロジェクト
ロボットが大会期間中に様々な場面で人々に寄り添い、役に立つ姿を見せるとともに、大会を契機としたロボットの社会実装の推進に繋げることを目的としたプロジェクトです。
東京2020ロボットプロジェクトの目的や体制、スケジュールを紹介します。
プロジェクト概要
大会中に活躍するロボットと、それを活用した企画を一覧で紹介します。
ロボット企画一覧
プロジェクト概要
狙い・目的
- 世界中の人々が注目する東京2020大会開催中に、ロボットが様々な場面で人々に寄り添い、役に立つ姿を発信する。
- コロナ禍の中で、ロボットの利活用により、安全・安心かつ持続可能な大会運営ができることを世界に示す。
- 大会を契機としてこれらのロボットの社会実装を推進することにより、レガシーとして未来に継承していく。
検討体制
ロボット有識者、国(内閣官房、文部科学省、経済産業省)、東京都、大会パートナー(パナソニック株式会社、トヨタ自動車株式会社)、東京2020組織委員会
スケジュール
2019年3月 ロボットプロジェクト概要および第1弾企画発表
2019年7月 第2弾企画発表
2021年夏 ロボットを活用した企画の実施
ロボット企画一覧
生活支援ロボットによる観戦サポート
- ロボットによる観戦席への誘導や飲料水の提供等を通じ、車いすのお客様のストレスフリーな入退場・観戦をサポート
- サポート場所:オリンピックスタジアム 車いす席の一部(予定)
- 対象競技:陸上競技(パラリンピック)(予定)
- 使用ロボット:
(観戦サポート)Human Support Robot <トヨタ自動車株式会社>
パワーアシストスーツを活用した運営支援
- 大会期間中の運営作業スタッフの負担を軽減するため、パワーアシストスーツを活用。重量のある飲食物、廃棄物等の運搬業務及び大会関係者の荷物をバスに積み入れる際等に活用。
- 活用場所:競技会場、大会関連施設等
- 台数:20台程度
- 使用ロボット:腰用パワーアシストスーツ(パワードウェア)<パナソニック株式会社>
- ロボットの詳細な仕様は以下をご覧ください。

東京2020マスコットロボット
- 東京2020組織委員会とトヨタ自動車株式会社が東京2020マスコットであるミライトワとソメイティのロボットを開発。
- 大会関連施設等にて選手や観客を歓迎するほか、子どもたちが東京2020マスコットロボットを通じて、新たな形で大会を楽しめる企画を実施。
- 使用ロボット:東京2020マスコットロボット ミライトワ/ソメイティ※<トヨタ自動車株式会社>
フィールド競技サポートロボット
- 陸上投てき競技等の運営に、自律運転機能を有するロボットを活用。最適な経路を選択し自律で走行するとともに、運営スタッフの追従走行や障害物回避走行も実施しながら競技中の投てき物(槍やハンマーなど)の回収・運搬を行う。
- 実施競技(会場):陸上競技(オリンピックスタジアム)等
- 使用ロボット:フィールド競技サポートロボット(FSR) <トヨタ自動車株式会社>

トヨタ自動車株式会社のロボットの詳細な仕様は、以下をご覧ください。
TOKYO 2020 5G PROJECT
東京2020大会を新たなスポーツ観戦体験のショーケースとすべく、インテル コーポレーション、日本電信電話株式会社(NTT)、株式会社NTTドコモと協力し、3つの競技会場において、5Gテクノロジーを活かした「TOKYO 2020 5G PROJECT」を実施します。
「TOKYO 2020 5G PROJECT」では、5Gテクノロジーを利用した新しいスポーツ観戦体験を、対象となる会場に訪れた観客あるいは大会関係者に向けて提供します。具体的には、5Gの高速大容量性を活かした超高解像度映像および同時多地点映像のライブストリーミング、さらには、低遅延性を活かしたAR(拡張現実)観戦体験の提供など、東京2020大会を画期的な手法で楽しめる3つの企画を実施予定です。
企画概要 ※内容は変更される可能性があります。
5G×超高臨場感通信技術によるセーリング競技の新観戦体験
実施日(予定):2021年7月25日(日)~8月4日(水)
提供エリア:セーリング会場競技観客席
これまで、防波堤から双眼鏡を使って観戦していたセーリング競技について、5Gの力により、あたかもクルーズ船の特等席からレースを観戦しているような、リアルを超える革新的な観戦スタイルを競技会場に来場した観客の皆さまに提供します。
超高臨場感通信技術により、セーリング競技会場内に50m級のワイドビジョンを海上に浮かべ、横12K解像度の超ワイド映像をライブ通信することにより、観客は競技があたかも目の前で行われているかのような超高臨場な体験ができます。
また、江ノ島会場から離れた、東京ビックサイト(メインプレスセンター)にも同様の映像が伝送され、世界中から訪れたメディア関係者にも、現地に近い臨場感と一体感を届けます。
5G×ARによる水泳競技の新観戦体験
実施日(予定):2021年7月25日(日)~7月27日(火)、8月27日(金)~8月29日(日)
提供エリア:競泳会場一部関係者席
5Gの低遅延性を活し、装着するARデバイスにリアルタイムに競技データを配信します。
会場で競技観戦者がARデバイスを装着すると、目の前で行われている競技に重なるように、選手紹介やタイムなどの競技データが表示されます。従来では、通信の遅延により実現できなかった100分の1秒を競う競技データを、5Gを活用することでリアルタイムに表示できるようにし、会場の興奮を五感で感じながらも、より詳しい競技の情報を取得し競技を楽しむ新しい水泳の観戦スタイルを提供します。

5G×マルチLIVE中継によるゴルフ競技の新観戦体験
実施日(予定):2021年7月31日(土)~8月1日(日)、8月6日(金)~8月7日(土)
提供エリア:ゴルフ会場一部関係者向け
5Gの高速大容量と低遅延性を活かし、離れた場所で行われている複数の競技映像を、手元のデバイスでユーザーが選択して楽しむことを可能にします。ゴルフ場での観戦は、競技の定点観測や好きな選手を追いかけるなど、観客それぞれの観戦スタイルがあります。本企画では、複数の競技映像や参加選手のスコアなどの細かい競技データをなどの大容量データを5Gで伝送することで、会場において、競技観戦者が手元のデバイスでリアルタイムに自由に画面を選択しながら楽しむことができます。
TOKYO 2020 未来のスポーツ観戦プロジェクト
~次世代臨場感テクノロジー 実証プログラム~

安全・安心な大会の実現に向けたイノベーティブな取り組みとして、視聴者の身近な場所で、まるで実際の競技会場で観戦しているかのような特別な体験の提供を目指し、次世代臨場感テクノロジーの実証を行います。
このプロジェクトは東京2020大会の競技映像を競技会場から離れた上映会場に配信し、ドームスクリーンやホログラフィックに投影する史上初※1の試みです。
東京2020組織委員会は、今回の実証を契機として未来のスポーツ観戦のレガシーとなるよう推進してまいります。
※1 東京2020組織委員会調べ(調査は当委員会アドバイザーである和歌山大学尾久土教授のご協力のもと実施)
プロデュース:東京2020組織委員会
協力:NHK、一般財団法人日本民間放送連盟
技術協力:日本電信電話株式会社(通信サービス)、パナソニック株式会社(AV機器)
実施結果報告書
2021年11月 実施結果報告書(PDF 818 KB)
実証コンテンツ
①ドーム映像による臨場感体験
競技会場に設置した魚眼レンズ付きカメラで撮影した映像を、ドームスクリーンにライブ配信し、上映します。観戦者は迫力のある包み込まれるような映像を体験することができ、競技会場で観戦するような臨場感・一体感を味わうことができます。

(会場)
「臨場感LIVEビューイング」※下記会場にて一般向けに公開を予定
- 東京都葛飾区 葛飾区郷土と天文の博物館
- 東京都府中市 府中市郷土の森博物館
- 長野県飯田市 飯田市美術博物館
- 福井県福井市 福井市自然史博物館分館
下記会場にて技術実証上映を予定(一般公開はなし)
- 東京都江東区 日本科学未来館
(期間)
2021年7月27日(火)~8月8日(日)※上映期間は会場により異なります。
(内容)
開会式、バドミントン、スポーツクライミング、3X3バスケットボール、バレーボール
※上映される競技は会場により異なります。
②超高臨場感通信技術による新しい臨場感体験
バドミントン競技を対象として、超高臨場感通信技術を活用し、ホログラフィックに選手やシャトルの映像を表示します。観戦者は、まるで目の前で選手が競技しているかのような新しいスポーツ観戦体験ができます。

(上映会場)
下記会場にて技術実証上映を予定(一般公開はなし)
- 東京都江東区 日本科学未来館
(上映内容)
- バドミントン
※内容は変更される可能性があります。
おもてなしガイド
概要
「おもてなしガイド」アプリをダウンロードし、起動させておくことで会場内アナウンスの内容が、自分の選んだ言語で、スマートフォン上に文字表示されます。また、設定により、文字表示された内容を音声読み上げさせることができます。
対応言語:日本語・英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語・スペイン語・フランス語
主な利用シーン
(1)スクリーニングエリア周辺の案内 ※スピーカー設置会場のみ
- 開場のご案内、整列・移動のご案内 など
(2)競技会場内の案内
- 会場内のご案内、観戦の注意事項 など
(3)緊急時の案内
- 火災時、地震時、テロ時、雷時、津波時 など
(4)MCアナウンス
- アナウンス内容を多言語でリアルタイムに表示
(5)競技の進行状況配信
- 会場内アナウンスだけでは情報量の少ない競技の進行状況を配信
※オリンピックのアーチェリー、バドミントン、馬術、卓球
(6)開閉会式の状況
- 会場内のご案内、式典内容の解説サービス